気持ち

3/5
前へ
/19ページ
次へ
香緒里と別れたあと俺は 病院に向かった。 階段を上り、病室に向かう。 ガラガラ…。 扉を開けると、静かな部屋に 機械音だけが鳴っていた。 『おう、次郎!生きてるか(笑)』 『また香緒里に野球しろって言われたよ!』 返事はない。 中3の夏、あの日から 次郎の夏は止まったまま。 脳死。 今の次郎の状態だ。 次郎の枕元には、金メダルが 飾ってある。 次郎と一緒に野球をした 中3の夏の大会、俺と次郎の 最後の金メダルが。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加