怪衰欲

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センセーに言われるがまま海に来てしまったが、やはり悪くはなかった。 透き通るような青い海、白い砂浜、そして……更衣室の窓から着替えを覗こうとする座頭ケチ……。 「何してるんだいこのぉ!」 すかさず目潰しを浴びせ、ケチ改めあんま師改めスケベ師を窓から叩き落とす。 窓から落ちたといってもここは一階だし、地面は砂だ。大事には至らないだろう。 続いて私も外に出て駆け寄る。 「おい。覚悟はできてるんだろうね」 ドスの効いた声で聞く。 まぁ出来ていようがいまいが制裁を加えるのは決定だが。 すぐに女子達が集まってきた。全員怒りの炎を燃やしている。 スケベ師は目を押さえながら膝立ちになる。 「なっ……何を仰いますかお竜さん。あっしはこの通り盲目の身でありやして……」 本編と同じような……いや、往生際の悪い男だ。 スケベ師の胸ぐらを掴む。 「知ってるよ私。あんた、この前の視力検査の結果、異常なしだったろ。1.5だったろ」 スケベ師……いや、もうケチと書いてスケベ師と読もう。 ケチの額から冷や汗が溢れでた。 「あ、旦那! 助けておくんなさい!」 ケチが叫んだ。 女子達が一斉に後ろを向く。 見ると、シレンが砂浜に何やら用意を始めていた。 そのシレンがこちらを振り向く。 シレンに何とかしてもらうつもりか。 これも本編通り……ゴホン。 卑怯な男である。若干ケチの目に希望の光が灯った。
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