27人が本棚に入れています
本棚に追加
センセーに言われるがまま海に来てしまったが、やはり悪くはなかった。
透き通るような青い海、白い砂浜、そして……更衣室の窓から着替えを覗こうとする座頭ケチ……。
「何してるんだいこのぉ!」
すかさず目潰しを浴びせ、ケチ改めあんま師改めスケベ師を窓から叩き落とす。
窓から落ちたといってもここは一階だし、地面は砂だ。大事には至らないだろう。
続いて私も外に出て駆け寄る。
「おい。覚悟はできてるんだろうね」
ドスの効いた声で聞く。
まぁ出来ていようがいまいが制裁を加えるのは決定だが。
すぐに女子達が集まってきた。全員怒りの炎を燃やしている。
スケベ師は目を押さえながら膝立ちになる。
「なっ……何を仰いますかお竜さん。あっしはこの通り盲目の身でありやして……」
本編と同じような……いや、往生際の悪い男だ。
スケベ師の胸ぐらを掴む。
「知ってるよ私。あんた、この前の視力検査の結果、異常なしだったろ。1.5だったろ」
スケベ師……いや、もうケチと書いてスケベ師と読もう。
ケチの額から冷や汗が溢れでた。
「あ、旦那! 助けておくんなさい!」
ケチが叫んだ。
女子達が一斉に後ろを向く。
見ると、シレンが砂浜に何やら用意を始めていた。
そのシレンがこちらを振り向く。
シレンに何とかしてもらうつもりか。
これも本編通り……ゴホン。
卑怯な男である。若干ケチの目に希望の光が灯った。
最初のコメントを投稿しよう!