怪衰欲

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説明を聞いて、真っ先に言葉が出た。 「最初の船の下り要りますか!?」 「なんでたまにセンセーの感想が入るんですか!?」 私とペケジは同時に叫んだ。 アスカは満面の笑みで言った。 「あと、船員とか全員とかでちょっと駄洒落だと思って笑いましたよね。はっきり言って面白くないですよ。そのくらいでこちらも笑うと思ったんですか? なんで先生は笑うんですホントば……」 「やめれー。それ以上言うな! センセーの心とお前のイメージがズタズタになっちまうぞ!」 センセーはアスカの三倍の大きさの声で叫んだ。 夏の真っ盛りということで海に入っても寒さは襲って来なかった。 たまにはこんな日も悪くない。そう思った。 悲鳴。 突然の出来事だった。 沖の方を向くと、大きな魚影がこちらに向かって泳いでいる! それから逃げる生徒達が浜辺へと上がる。 「なっ……何!?」 砂浜に上がりながら誰ともなく訊く。 巨大生物の身体半分が水から出た。 巨大なイカのような頭だ。 「あいつは……イカキング!? いや、それにしてはでかすぎる」 ガルウィンが呟いた。 そうなのだ。 イカキングは大きいものでも170cmほどのはず。 だが、今海にいる者は300cmは超えている。 「恐らくこの海の主だろう」 センセーが海に入った。 その両手にはいつ持って来たのかカタナが握られている。 「危険ですよセンセー!」 「やめとけって! あんなでかい奴」 アスカとガルウィンが止めようと海に入る。 が、センセーの眼力がそれを止めた。 「生徒の安全を守るのが教師の役目だ」 その言葉にかつて無いほどの迫力を感じた。 アスカとガルウィンを下がらせ、センセーは進んだ。 誰一人として、声をかける者はいなかった。 今の彼なら大丈夫。そんな気がしたからだ。
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