風来学園

奇妙な仮面

人だかりから離れ、神社の本殿に続く長い階段の上の方に腰かける。

「……」

普段とは違う、慣れない格好をしているため、動きづらい上に体力の消耗も激しい。
大きく空気を吸い、はく。
呼吸が落ち着いた頃、さっきまで食わえていた笹の葉を落としていたことに気がついた。
すかさず拾い上げる。
ふと下の祭りの様子が目に入った。
神社の階段から見下ろす祭りの様子は賑やかで活気に満ち溢れていた。
風が横から顔を撫でるように吹く。
火照った顔に非常に心地よい。
途端、小さく腹の虫が鳴った。
世話しなく動いていたためだろう。
せっかくの祭りだ。何か探すとするか。
そういえばチョコバナナなるものがあると聞いた。
あったら試してみよう。
転げ落ちないよう、ゆっくりと神社の長い階段を降りた。