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クローンなんて全然身近じゃないから、いまいちそれの何がすごいのか分からない。 でも、もう一人の自分がいたらすごく便利かも知れないとは思う。 だって、宿題も半分ずつすればいいし、テストも嫌いな塾も自分のクローンに行かせればいいのだから。 そう考えると、クローンって結構すごいのかもしれないと思えてきたりする。 「……これで僕の発表を終わります。」 その声で、内側に向かっていた自分の意識を外側へ向けた。 いつの間にか山内くんの発表が終わっていた。 儀式的に手を叩き、隣の席に戻ってきた山内くんに良かったよ、なんて声をかけた。内容は、本当にちっとも理解できなかったけれども。
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