第一章

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魔法とは自分の中の魔力を使い、自分の体―――詳しく言うと自分の頭の中に描かれた魔法陣(紋章)を媒介に魔法をだす。 しかし紋章術はその紋章を別の媒体に描くことで魔法を発動する。何故自分ではなく他の媒体かというと、これは早い話、魔力が無いなら他の魔力を借りよう!といった単純明快な考えからある。 しかしそれなら誰もが使うはずなんだが...そう、これはものすごく使い勝手が悪いからあまり一般には浸透していない。 普通の魔法だったらその紋章さえ覚えてさえいたら誰でも使える。しかし紋章術は常に媒体に紋章を描かねばならない。 特殊な魔法紙にあらかじめ紋章を描いて、媒体に貼り付けるのが主流だが、魔法紙もただではない。 そして何よりも、弱点が多過ぎる。 それをカバーしながら戦うのは正直言って...疲れる。 「でも、なんだかんだいって一番困るのはお金なんだよな...」 ギルドといったところで傭兵としての依頼を受け、モンスターを討伐するとしよう。そしたらそのモンスターを倒すために様々な媒体を使う。いくらモンスターを倒したとしても、単純計算 依頼達成金 - 紋章術に使ったもの = 雀の涙なお金 割りにあわなすぎる... だからこの戦闘でも参加するだけして、逃げていました。卑怯?なんとでも言え。あいにく逃げるのは得意なんでね
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