第一章

6/14
前へ
/38ページ
次へ
戦場で生き残るためには何が必要かといわれると、俺は危険察知能力だと即答するだろう。 確かに腕力や魔力は必要だ。魔力がない俺が言っても言い訳にしか聞こえないかもしれないが、俺はこの目で魔力が強い人がやられるのをたくさんみてきた。 単純に相手がそいつより魔力が高かったという理由ではなく、ただ単にそいつが奇襲や不意打ちで死んだというだけの話。 一騎打ちや決闘、闘技場での戦いで上位にいける人がいても、ここは戦場だ。攻撃に気づかず、即効死ぬ奴も少なくはない。 それに比べて俺は紋章術の性質上、師匠に教わった通り周囲を注意する癖がついている。戦闘中でも、非戦闘中でも。 そのおかげか、俺は多分不意打ちでは死ぬことは無いだろう。 ...何が言いたいかというと、俺は避けてしまったんだ。 腕に自信がある人でも食らってしまうであろうという不意打ちを。しかも無傷で。 「ほう...今の攻撃を避けるか」 聞こえてきた声はものすごく透き通った綺麗な声だったなー、と考えている場合ではない。攻撃をしかけてきた奴はみるなり、俺の体に電流が流れる。 危険察知レーダー君がびんびんのまま言ってくる。 はい、お前おわたー
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加