『変わる』と『程度』

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「ふぅー」 ようやく動けるようになった一言はこれだった 決して息が出来ずに苦しかったじゃなくて、これを言いたくしょうがなかった 何故か分からなかったけどな 「蓮、大丈夫だった?」 次に言葉を発したのは天子だった 天子は俺の背中に手をまわすと、体を起こしてくれた 痛みや痺れは大分よくなったとはいえ、まだ若干動きづらかったから助かる 「さて、トラブルメーカーが消えた所で蓮はどうするんですか?」 「どうするって何を?」 「何って住居ですよ、住居」 「あぁ、そうか」 そういえば、俺って幻想郷に来たばかりだから住む所が無いんだった 野宿だけは嫌だなぁ 金も無いし誰か泊めてくれないだろうか 「見たところお金を持ってる様子では無いし、誰かに泊めてもらうしかないですね あ、私の家は一人暮らしようの小さな家なのでスイマセンが泊められませんよ」 「そっか、それは残念」 そんな事を言いながら、最後の頼みの天子を見る ついでに衣玖も見てる 「ちょっ!? 何で私を見るのよ!?」 だって・・・・・ねぇ? 「衣玖が駄目なら天子しかいないし・・・」 「総領娘様の家は広いし、蓮さんとも仲良さげですし・・・・」 仲が良いのかは不明だが、広いというのは納得 俺が言うのもあれだが、一人二人泊めても全然問題無い気がする 「しょ・・・・・しょうがないわね 二人がそこまで頼むなら泊めてやってもいいわよ!」 そこまで頼んでもいないが、泊めてくれる身としてはそんな事言える訳が無い 「ありがとう天子、そしてよろしくな」 「ふん、壮大に感謝しなさい!」 天子の態度が若干気に食わないが、泊めてくれる事と比べればちっぽけな事だ そしてお互いに握手した
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