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「さてと、さっさと食器洗うから持ってきてよ」
切り替えるように天子はクルリと背を向け台所に向かった
「あぁ」
天子はさっきの重たい空気を無くす為にああやって少しテンションを上げている
だが、俺の中ではまだ罪悪感が残ってテンションが上がらない
「食器は何処に置けばいい?」
「そこに置いてくれれば大丈夫よ」
天子に指示された場所に食器を置くと、何故か天子の事が気になってしょうがない
別に好きだとか、惚れたとかの意味じゃない
突然現れた俺を快く受け入れ、住まいも食事も全てお世話になる人に悪い事をしてしまったという罪悪感が心の中を渦巻いてる
「天子、まだ部屋の片付け終わってないとこあるから先に戻るよ」
俺は直ぐにでも一人きりになりたかったから軽い嘘をついて部屋に戻った
「はぁ~」
部屋に戻ると直ぐにベッドに向かって横になった
天子には悪い事をしてしまったな
それでも、天子は俺を気遣ってくれる
それを俺は恩を仇で返すような事をした気がする
まさに最低な行為だ
俺は、これから天子とどういう顔をして暮らしていけば分からない
そんな事を考えてると、いつの間にか夢の中に入ってしまった
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