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「・・・・・・」
「はっ、心当たりがあるようだな
ていうより、心当たりがねぇと困る」
確かに『変わる』の言われた通り心当たりはある
さっきまでの現状を
「確かにあの天子という奴はあまり正直者とは言いにくいが、とても良い奴だ
突然現れた俺達を優しく受け入れてくれた
そんな相手に酷い事をしたのも事実
そんなちっぽけな事でテメェはショボくなるのか?」
「これはちっぽけな事では片付かん!」
「ちっぽけだ! このクソが!」
『変わる』のちっぽけの言葉に思いっきり大きな声で反論しようとしたが、それ以上の声で押さえられてしまった
「俺は能力を持った時からずっと見てきた
お前は負けず嫌いで、相手への心遣いには欠ける奴だった筈だ
いつも自分のやりたい事をやり、周りが迷惑を掛けても大して気にしない図太い奴だった筈だ
それなのに、さっきから幻想郷に来てから気持ち悪いぐらい変じゃねぇか
気持ち悪いぐらい気を遣ってる
こっちから見れば吐き気がするんだよ!」
「・・・・・・さっきからよぉ」
「あぁ?」
「さっきから言いたい事を好き勝手に言ってるんじゃねぇぞ!
俺だって、言いたい事は山程あるんだよ!」
「ぷっ、ぷははははは!」
「何が可笑しい?」
俺が怒りを露にしてるのに『変わる』は急に笑いだした
激しく気分が悪い
「くくく、いいぞ、それでこそ蓮だ
その図太い強情、ようやく戻ってきたな」
「えっ!?」
『変わる』の言葉に俺は思わず聞き返してしまった
もしかしたら、『変わる』は俺のショボくれた感情から抜け出し、いつものような俺になるようにわざと怒らせたのか?
「はっ、ようやく気付いたようだな俺の意図に」
「あぁ、ありがとな」
「礼を言われる程でも無いさ
最後に一つだけ面白い事を教えてやろう
自分の人生は自分のものだ
好き勝手に生きろ!
もし、その行動が周りに迷惑をかけるようならそれも一つの人生
好かれるのも一つの人生だ
人生に良い方向なんて無い
もし、良い方向というなら好き勝手に生きて気持ちよく死ね
それが最高の人生だ」
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