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恐らく、普通の人が聞けばなんて馬鹿馬鹿しい話だと思うだろう
だが、俺にとっては何故かとても素晴らしいものだと感じた
「さぁ、そろそろお別れだ」
『変わる』が指でパチンと鳴らすと何も無い空間から突然白い扉が現れた
「その扉を通ればこの世界から抜け、目は覚める
さっさと行きな」
「あぁ、ありがとな」
俺は『変わる』に一言別れの挨拶を交わすと、扉を開ける
すると目の前が真っ暗になって、意識が徐々に薄れていった
「行ったか・・・・」
蓮が通った扉はガチャンと閉まる音と同時にスッと消えた
「次に会う時はいつだろうな・・・・・」
1人呟きながら何も無い真っ白な空間を歩く『変わる』
暫く歩くと、真っ白な空間の中に明らかに異様な雰囲気を出す真っ赤な扉が突然現れる
扉は拳一つ程の大きさしかない
「今は俺を頼りにしてくれてるからこうやって平和に暮らせるが、いつかはコイツを頼ってしまう日が来てしまうのだろうか・・・・・」
『変わる』は横目で真っ赤な扉を睨む
「蓮、お前はどんな人生を送るんだろうな」
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