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暫く歩くと、崖に辿り着いた
そこから広がるのは広大な空
どこを見ても、白い雲と青い空しか見えない
改めてここが、空に浮かぶ島、天界と思い知らされる
「いい眺めでしょ」
標高が高いせいか、わりと強い風が吹いており天子の髪がなびいている
「下に敷き詰めたような雲があるでしょ?
あそこを突き抜ければ地上よ」
「へー」
そう言うと崖から身を乗り出してみた
すると、下には確かに雲が敷き詰めたようにある
「さて、今からここから飛び降りる訳だけど、空・・・・飛べないよね?」
「まぁ、そりゃな・・・・九ッ星神器の『花鳥風月(セイク-)』はまだ使えないし」
翼を生やし、空を飛べるようにする神器、『花鳥風月(セイク-)』は俺には早い話だ
「『花鳥風月(セイク-)』? それって昨日の話にあったやつ?」
天子が思い出したのように言う
「あぁ、そうだが・・・・それがどうした?」
「その『花鳥風月(セイク-)』って昨日、紫が何か言ってなかったっけ?」
「うーん・・・」
そういえば、そう言われた気がする
明日の朝、九ッ星神器を発動しなさい的な事言ってた気がする
ものは試し、やってみるか
「ちょっと、気になる事があるから離れてくれ」
「うん・・・」
そう言うと、天子は数歩下がった
これだけ離れていれば何が起きても大丈夫だろう
「じゃあ、いくぞ
『花鳥風月(セイク-)』!」
その途端、俺の背中から清々しさを感じた
「ちょっ・・・・蓮? 何なのよ、それ?」
天子は驚いた顔で俺の背中を指さしている
まさかと思い、首を後ろに向けてみると、
「す、スゲー・・・・」
灰色で、背中から吹き出したような勢いの形した翼が2つ生えていた
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