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「何が入ってたの?」
後ろからナギに声をかけられ、レイの体がビクッと飛び上がる。
「あぁ、いや、ナギに言っても解らないことだろうから止めといた方がいいって!」
「ふぅ~ん
余計に見たくなっちゃうな~」
手紙を奪おうとするナギに、それを頑なに見せようとしないレイ。
そこだけを見ていると、まるで兄妹のように見える。いや、姉弟か?
まぁ、そこはどうでもいいとして。
その光景はアキによってすぐに崩れることとなる。
少しだけナギとレイを見ていたアキだが、レイの反応を見ていると好奇心を刺激されたらしく、ナギに続いてレイに突撃を試みた。
結果、レイは二人に押し倒され、手紙はあっさりと奪い取られてしまった。
笑顔で手紙を開いた二人だが、最初の文を見ただけでそれらの笑顔は失われた。
「分かったか?
何で俺が見せようとしなかったか」
レイの問いかけに二人は静かに頷いた。
二人の反応を見て、レイは言った。
「他にも理由はありはするが、聞く?」
またもや二人は頷く。
「お前等にはさ、笑っていて欲しいんだよ
女の笑顔ほど眩しいもんは無いけど、女の泣いたり、落ち込んだりしている姿ほど見るに堪えないもんはねぇと俺は思うんだ」
二人はレイをじっと見つめる。
いい加減、場の暗い雰囲気に耐えられなくなったレイは二人に向けて、
「分かったら人の上から退いてくれないか?」
ようやく二人に笑顔が戻り、レイも微笑んだ。
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