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「ふう~ん
アキと遊星はそんな感じで出会ったわけか」
ニヤニヤと笑みを浮かべたレイは耳まで赤く染め上げたアキと、至って平然としている遊星とを見比べた。
ジャックと双子は遅い、だとか付き合いきれん、だとかで出ていってしまった。
今、皆は少量ではあるが、飲酒をしている。
こういう時は、それぞれの癖が分かって楽しかったりする。
例えば、クロウは笑い上戸で、遊星はあまり呑めなかったりする。
(皆で楽しめてるから成功はしたかな)
ふと、レイはヒュージの手紙の内容を思い返した。
彼は、裏切り者を始末することを嫌った。
彼のプレイングには確かにおかしいところはあった。
それも、分かりやすいものだった。
もしかしたら、ヒュージは勝っても負けても殺される運命にあったのではないだろうか。
レイは血が滲み出るほどに拳を握った。
(ふざけんな!
こんなことがまかり通るってんなら、全力でぶつかってやるぞ
イリアステル!)
そう誓いを立てた。
静かに席を立ち、自室へと向かった。
自分とヒュージのデッキケースを手に取り、それぞれからデッキを取り出し、デッキ編集を行う。
ヒュージ。
彼とどこかで、今度は仲間として出会いたいと願いながら。
気づけば、時計は一時を回っていた。
リビングへと戻り、時間の確認とどうするかの報告を促すと、満場一致の答えが出た。
結局、アキ・クロウ・遊星はレイの部屋に泊まることになった。
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