手に入れた束の間の平穏

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「なぁなぁ、やっぱりナギと暮らしてると、風呂場でバッタリ、なんてことがあんのか?」 両肘を突いて上体を起こしているクロウが訊ねた。 「おい、クロウ それは流石に……」 「時間決めてるから、そんなことは無かったよ」 静止にかかった遊星を遮り、レイは即答した。 「じゃあさ、着替えをしてる所に鉢合わせ、は?」 「クロウ!」 プライベートな話がエスカレートしてきて、遊星は必死にクロウを止めようとする。 「そこはノーコメントだな」 実は、レイは何度もナギの裸を目撃している。 風呂の件は嘘で通せたが、ここでも嘘をつくのは少し躊躇いがあった。 「いいよな、レイや遊星、ジャックは」 これ以上訊けば遊星が怒る、と考えたクロウは話の内容を変えた。 「? 何で?」 話の対象の二人は、何を羨ましがられているのか見当がついていなかった。 「だって、彼女がいるじゃねーか」 直後、レイは何を考えたのか、赤くなった。 遊星は面を喰らったような表情だった。 「ジャックは三人侍らしてるし、レイにはナギ、遊星にはアキがいるけど、俺には誰も付いてくれてねぇもん」 「そ、そんなことないだろ? クロウにはちびっこ達がいるじゃん」 話の内容が、ただのクロウの僻みだと知り、レイはフォローを入れてみる。
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