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「ガキ達と彼女は違うだろーが!
俺はロリコンじゃねぇし」
「ムキになるなよ」
「クロウ
少し落ち着け」
勝ち組オーラを纏う二人に対して、クロウは敗けを悟った。
「朝よ
三人とも起きなさい!」
モソモソと布団の中で蠢く男三人の図は、正直、寒気を感じる。
「ふぁ~あ
今何時?」
目を擦りながら一番に布団から這い出たレイが訊ねる。
「…九時、ね」
アキは腕組みをしたまま答える。
「朝飯は何?」
続いて這い出たクロウも会話に参加する。
「朝食を訊く前に、洗顔と寝癖を整えた方がいいんじゃない?
頭、ボサボサよ」
アキのアドバイスをおとなしく聞き入れた二人は洗面所へ向かった。
「遊星」
アキは遊星の布団の傍に座った。
遊星は一度は起きようとしていたが、朝が弱いのか、二度寝をしてしまっている。
アキはゆっくりと布団を剥がし、遊星の寝顔の観察を始めた。
寝顔というものは不思議なもので、とても素直な表情になる。
そこから、どんな夢を見ているのかが分かったりするのだが、アキはそんなことをする気はさらさらなかった。
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