動き始めた未来

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「お!遊星! おかえり」 「ただいま」 クロウの挨拶に遊星は笑顔で返した。 『遊星』と聞いて、レイはクロウの視線の先にバッと振り向いた。 そこには、赤いDホイールに乗った遊星と同じく赤いDホイールに跨がり、赤いライディングスーツを着たアキがいた。 「あなたが不動遊星ですか?」 クロウの前に立つ見慣れないレイに対しても遊星は気兼ねなく話す。 「あぁ、そうだが?」 遊星だと確信できた時点でレイは内心、喜んでいた。 「俺はレイ・リンドヴルムって言います 今日から近くで住まわせてもらうという挨拶と、Dホイールを見てもらいたくて来ました」 「そうか よろしくな、レイ あと、敬語とさん付けはやめてくれ Dホイールは後で見せてもらうとして…」 遊星の言葉が途切れた。 何故なら、隣ではアキが不機嫌そうになっていたからだ。 「あぁ、そうだった こちらはアキ 俺達の仲間だ」 ようやく自己紹介ができる、と言わんばかりにアキは一つ咳払いをした。 「十六夜アキよ よろしくね」 笑顔で迫られ、レイはギクシャクしていた。 「あ、あぁ、よろしく」 そんなレイの反応を見て、アキはフフッと笑っていた。 (笑顔が素敵だなぁ) ポーッと赤くなっているレイの額にアキの手のひらが当てられた。 「大丈夫? 熱でもあるんじゃない?」 刹那、レイは真っ赤になり、ボンッと音を立てて倒れた。 周りでは、急にレイが倒れたことにより、小さな混乱が起きていた。 主にアキとクロウだけではあるが。
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