出会いの華

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雛袖は話を聞いてはおらず、新選組という未知の場所に酷く興味を持っていた。 「あ、あの、新選組、とはなにをなさるところなのですか?」 と、さも珍しそうに土方らを見上げてくる。 「新選組を知らないなんて、京に来たのは初めてですか?」 沖田が問うと雛袖は首を傾けた。 「京とはなんですか?ここは新選組というところではないのですか?」 一同は驚愕した。そして我に還った土方はハッとしたように雛袖に問うた。 「お前、名字天ケ瀬と言ったか?だとしたら京のなかでも有数の名家じゃねぇか、なんでそんなとこの姫さんがこんなところで行き倒れてんだ?」 「?倒れて…あ!そうだ!私は…」 (あのあと無我夢中で走ったんだ…) とたんに雛袖の顔が曇ったのがわかった。
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