26人が本棚に入れています
本棚に追加
雛袖は話を聞いてはおらず、新選組という未知の場所に酷く興味を持っていた。
「あ、あの、新選組、とはなにをなさるところなのですか?」
と、さも珍しそうに土方らを見上げてくる。
「新選組を知らないなんて、京に来たのは初めてですか?」
沖田が問うと雛袖は首を傾けた。
「京とはなんですか?ここは新選組というところではないのですか?」
一同は驚愕した。そして我に還った土方はハッとしたように雛袖に問うた。
「お前、名字天ケ瀬と言ったか?だとしたら京のなかでも有数の名家じゃねぇか、なんでそんなとこの姫さんがこんなところで行き倒れてんだ?」
「?倒れて…あ!そうだ!私は…」
(あのあと無我夢中で走ったんだ…)
とたんに雛袖の顔が曇ったのがわかった。
最初のコメントを投稿しよう!