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「ねぇ、桃戸、あねうえはどうしたの?儀式ってなあに?」
無邪気に、しかし真剣に、残酷な無垢な少女は桃戸を見上げ、上目遣いできく。
(氷雨様…)
意を決して桃戸はこれから行われようとしていることについて話した。
幼いながらに意味を理解してしまった氷雨は驚愕した。
まさか、あの姉が今にも儀式によって生を断たれようとは誰も思うまい。
(あねうえ、あねうえ、何故?父上、母上、何故?)
泣きじゃくる氷雨に桃戸は何も言えなかった。
(雛袖お嬢様…!)
ただただ、雛袖の冥福を祈るばかりだった。
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