*透明な出会い*

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「ね~ね~。二人とも明日の時間割は? もう終わってるの~?」 淡いピーチ色のどっしり存在感のあるソファー。 そこに座っている娘二人は、只今テレビドラマに釘付け。 「だってママ… 明日は土曜日だよ?」 テレビ画面から視線を外さずに、気だるそうに瑠美がそう答える。 「あっ…」 ……そっかぁ。明日は休みだった。 「でもさ…そのドラマが終わったら早く二階に上がって寝るのよ~」 「……はぁ~い」 最近、学園もののドラマにハマっている二人。 私の声なんて聞こえてないような気のない返事がかえってきた。 時計を見ると9時を少し回ったところ、キッチンの食卓の上には優斗の食事だけがポツンと置かれていた。
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