*透明な出会い*

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いつもそう… こんな風に子供たちの何気ない優しい言葉に癒やされホッと気持ちが和む。 でも 子供たちがいなくなったリビングは一瞬にして、音のないどこか寂しい空間に変身した。 私は、いつものようにノートパソコンを開いた。 いつだったかな…? 学生の頃にバンドを組んでいた仲間からメールが届いた。 コミュニティサイトを立ち上げたからと。 それから、その場所で昔の仲間たちと他愛のない話で盛り上がるのが、発散の一つになっていた。 結婚して子供を持ち幸せに暮らしている人。 仕事に明け暮れまだ独身な人。 離婚してまたシングルライフを送ってる人。 それぞれが、あの頃とは違い、それぞれの今を生きている。 『実際に集まろう』 と、言いながらもそれぞれが今の生活に余裕がないのか、実現はしていない。 でも ほんの少し時間が出来た時に、フラりと立ち寄れば誰かがいるこの空間。 そんな気軽なこの場所が、今の私たちにとって最善なのかもしれない。
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