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「おかしいな…。迷ったかな…。」
迷ったかな、ではなく正確に言えば完全に道に迷ってしまった、だ。
普通ならば誰しもが分かりそうな通学路なのだが、この時の自分はどうかしていたと思う。
探し方なんて幾らでもあった筈なんだ。
誰かに道を尋ねるとか、同じ制服を来た学生の後をつける…とか。
けど…この時の俺はどうかしてた。
入学式に遅れてはならない、という頭が働き、普段取らない様な行動を平気でしていた。
行った道を何度も往復したり、そうかと思えば別の小道に入ってみたり…。
不思議に思った事と言えばひとつだけ…周りには人が誰も居なかった、という事だ。
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