-百物語 雪女- 

3/11

6人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
 とある高校に笹岡 早苗という女子がいる。  その女子が通っている高校で不思議な噺が持ち上がった。  『何時になく寒い"逢魔が刻"には、外には出るな。雪女子に連れていかれるぞ。』  この噂を流した者は解らないが、皆信じきっていた。  何故なら噂を信じて試してみたいと言っていた男子が一人行方不明なのだ。  そのため噂を信じた者がそれ以来一気に広まった。  その折、こんな噂もある。  『百物語から人間を護る鬼の娘、"鬼神の鬼薊"がいる』  と言う噺だ。  この噂が出てきた刻、皆は一斉に"鬼神の鬼薊"に助けてもらうべくインターネットで詳しく調べ始めた。  だが"鬼神の鬼薊"についての情報はあまりなく、誰もが諦めかけていた時だった。 「見いや!これ"鬼神の鬼薊"の情報ちゃう?」  一人の女子が叫ぶ。  その声を聞き付けた他の生徒も一斉にその女子の所に集まる。  パソコンの画面を見ると大きな字で  『鬼神の鬼薊』  と書かれているではないか。  生徒達は画面を凝視し内容を見る。  そこにはこう書かれてあった。  『"鬼神の鬼薊"は鬼と人間の間に生まれた落胤である。 "鬼神の鬼薊"は可愛がられ育つ。 だが力の暴走に堪えられず、その力を封印された。 その刻、父は言う。 「人間として生きよ。人間にあだなす者は断じて許すまいぞ。あだなす者がいるのなら、"鬼の道"を行くがよい。」 そこからその幼子は"鬼神の鬼薊"と呼ばれる様になる。 人にあだなす者は自身が持つ妖刀で斬り捨て、人事を守護する鬼神。 "鬼神の鬼薊"と契約したくば、三度唱えよ。 「鬼神の鬼薊よ天命に有り」 と… さすれば"鬼神の鬼薊"現れたり。』  この噂は本当なのか…  それを知る者は誰もおらず。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加