245人が本棚に入れています
本棚に追加
「…佐織、ちょっと顔色悪くないか?」
「そう?昨日寝るの遅くなっちゃったからなぁ…」
「無理すんなよ?」
放課後のデートは辞めて、無理をさせずに、家へ帰らせて寝させよう…。
デートは佐織の体調が回復したらいくらでも出来る。
佐織を大切にしたかった…。
誰よりも大切な俺の恋人だから。
翌日も佐織の顔色は良いとは言えなかった。
「芳、明日は病院行ってくるね」
「ん、気を付けて行って来いよ」
心配していた俺は、それを聞いて少し安堵した。
早く治れば良いのに。
治ったら佐織が行きたがってた遊園地へデートで行こう。
だから早く治して元気になれよ佐織…。
「幸村佐織さーん、一番の診察室に入って下さい」
診察室に入ると、消毒液のにおいがした…。
体調が良くなったら芳が遊園地に連れて行ってくれるって一週間前に約束したから、早く治して二人で行きたいッ!!!
今からワクワクしてる。
「今日はどうされましたか?」
「一週間くらいずっと体調が良くなくて…」
「ちょっとすみません」
そう言って医者は私のおでこに手を当てた。
「…熱があるみたいですね。多分風邪でしょう。お薬を三日分出しておきますね」
「ハーイ」
最初のコメントを投稿しよう!