プロローグ

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. いつも新学期を迎えるごとに、後ろの席には彼がいた。 それが恒例の年中行事だ。 「でもさ……会津って。」 「ん?」 「何だかんだで、いちばん話しやすい存在だったかもしれない。」 ふいに新居が、そんなことを言ってきた。 「そう?」 「うん。俺あんまり、女子と話すことなかったし。」 「……確かに。」 クラスで特別浮いている存在というわけではなかった。 しかしどこか他の人とは違うオーラを感じたのは、不思議なほどに落ち着いていて、大人の雰囲気が漂っていたからかもしれない。 どちらかと言えば、一目置かれている存在と言った方が当てはまる。 それでも私の人見知りしない性格から、この彼をそんな風に特別視したことはなかった。 だから彼も、話しかけやすかったのかもしれない。 「……会津は、これからどうするの?」 「へ? 私?」 「うん。進学組だったっけ?」 .
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