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しかしこの歳になって、あの頃と全く変わらない自分がいる。
くだらないことに夢中になって、すぐに泣いたり怒ったり。
きっとこの性格は、これからも変わらないのだろうと思う。
「俺の予想では……30になった会津は、子沢山の母親って感じかな。」
「ええっ!? 私、子供嫌い。」
私の言葉に、新居はくすっと笑う。
こういう笑い方も、他の男友達とは少し違うくて。
やっぱり、何か大人だな……って、思ってしまう。
「そんなに露骨に嫌な顔しなくても…。」
「だって…。」
子供と戯れている自分の姿を想像しただけで、酷く眩暈がする。
激しく気持ちが落ち込んできたので、私は話を逸らすことにした。
「……じゃあ、その頃の新居は?」
「俺?」
「そう。」
突然の質問に、少し照れながら頭を掻きながらも、彼の口からは確かな『夢』が語られる。
「俺は…デザイナーになっている予定。」
「何の?」
「それは、まだ決めていないけれど。」
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