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１２年ぶりの再会
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大学を卒業した私が、地元の東京に帰ってきて７年目。
二度の転職をして、今は雑貨屋『LOVERS』の店長として収まっている。
仕事は忙しいけれど上々。
やりがいも感じているし、それなりに楽しんでいる。
しかし……恋愛とは疎遠な日々。
私自身は毎日が充実しているので、それほど焦ってはいない。
むしろ、周りの友人に心配されることの方が多い。
そんな結婚に対して無頓着な私でも、近年続々と結婚していく友人なんかを見ていると、少しの寂しさと僅かな不安なんかも芽生えるわけで。
けれども今は正直、その分野にまで手を出している余裕はない。
それに私の単純な頭では、一晩ゆっくり眠れば忘れてしまう程度のものだから。
「店長、この商品のディスプレイのことなんですけど。」
私はその声に呼ばれて、ショーウィンドウの方へ向かう。
そこでは秋の行楽用のセレクト雑貨から、クリスマスに雑貨への模様替えが行われている。
「そうだなぁ……ここは白っぽいクリスマスの雑貨をメインにしてくれる？」
「はい、わかりました！」
指示を出して再びカウンターへ戻ろうとすると、シザーケースに入れていた携帯が震え出した。
画面を確認すると、その着信は実家の母親からのものだった。
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