大気圏内の状況-コウキ・サカモト編-

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木馬との戦闘が始まってからいくばくかの時間が流れたが、戦闘は優劣着かずの均衡状態であった。 俺の知っている歴史とは違い木馬の戦力は増強されていたのだが、MSが空を飛んで襲撃してくるというのはやはり対処し難かった様で先遣隊は俺の予想以上の戦火を上げていた。 ならば、主力陸戦隊を率いる俺はその努力に応えなければならない。 木馬が居る場所から離れた場所に着陸したジオンの攻撃空母ガウの中で、俺は今作戦の搭乗機の最終調整に入っていた。 「コウキ少尉、ご要望通りのチューニングが完了しました」 乗機の整備をしていた整備兵の一人が、コクピットの中で調整していた俺に、コクピット内を覗く様にしてそう伝えた。 「ありがとう、こっちも今終わった。部隊はすぐ出られるか?」 「少尉の調整待ちでしたので今すぐ行けますよ」 俺の言葉に整備兵は笑みを浮かべてそう返した。 それに俺はただ苦笑するしかなかったが、それもまた彼なりの緊張を解す為のジョークであると判断してのことだ。 「なら今すぐ出撃する。MS通行の為整備兵は早急に退避を。」 「了解」 俺の言葉に整備兵は一言そう言い終えると、軽く敬礼をしてコクピット外壁に寄せていたリフトに乗り移りその場から離れていった。
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