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「でもやっぱ私は、義之カレーが一番好き!」
「義之カレー?」
「うん。昔から食べてたんだ。コクがあってすごくおいしいの!」
「そんな大したものじゃねぇよ……」
「ううん、大したものだよ!大物だよ!武蔵級だよ!」
小恋よ、意味がわからん。
俺は興奮する小恋を余所に、ため息をついた。
「それにしても小恋ちゃん、義之くんのことよく知ってるね」
「ふふ、それはね……」
「二人は謂わば、ロミオとジュリエット……。夜の帳が下りる頃から、甘い蜜月の時間を……」
「ふぇぇ!幼なじみ!!幼なじみなの!!」
「……」
難儀すぎて言葉も出ませんぞ。
団らんの隅っこでは、志乃ちゃんが黙々と食べ進めていた。
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