―恋ゴコロ―

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************ 桜が舞う。 それは普段どおりの光景だ。 しかし、季節にはそぐわない光景。 そんな桜を、夕陽の赤が綺麗に彩っている。 その薄紅色はひらひらと、俺たちの帰りを見送ってくれているようだ。 「何か、懐かしいな」 「ん?」 「こうやって義之と一緒に帰るの、久しぶりじゃない?」 そういえばそうだった。 俺が朝倉家から芳乃家へ移ってからは、音姉や由夢と登校してるし、下校だって渉や亮と寄り道していくことが多々ある。 そう考えれば、小恋と二人で帰る機会はなかったな。 「小学校のときは、いつも一緒だったよな」 「だって、あの頃は義之がすごく頼もしくて……」 「何か、今は違うみたいな言い方だな」 「い、いやぁ、そんなことはないよぉ~」 小恋さん、思い切り顔に出てますよ。
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