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「1600年、徳川家康率いる東軍と、石田三成率いる西軍は、関ヶ原でぶつかり合い……」
昔の話を今さら掘り返しても仕方ないのでは、という疑問を抱きつつ授業を受ける。
まぁ、一般教養として覚えておくに越したことはないのだが。
「義之……義之……」
ふと声が聞こえてそちらへ顔を向けると、渉が呼んでいた。
「何だ?」
「お前、どっちが好みだ?」
そう言いながら、雑誌のある1ページを突き付けてきた。
どうやらグラビアの特集らしく、今話題のグラビアアイドル二人がどんと大きく載っていた。
「てか、授業中だぞ」
「何言ってんだよ義之。男たるもの、いつでもどこでも最新情報はチェックしとかねーと!」
「お前の場合はアイドル関係だけだろ……」
渉はルックスだけならモテるだろう。
が、こいつは変態の極みなので、女子には全く好感を持たれていない。
「俺は左かな。義之はどっちよ?」
そういって後ろから覗き込む亮。
彼、二木亮(ふたつぎりょう)は渉同様、ルックスがいい。
ただ渉とは逆に、性格は良くて運動神経もいいので、女子にはモテモテだ。
「よくわからん」
「何ぃ!?義之にはこのおなごの良さがわからんのか!?」
「おなごってお前……」
「はは、まぁ義之にはよくわからんだろうな」
渉にはわけわからんこと言われ、亮には皮肉っぽいことを言われ。
俺ははぁーっと大きなため息をついた。
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