第12章

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『お~い、咲子ちゃん。』 背中に回された腕が離れ、手が肩へ置かれ、体がゆっくりと離れる。 私は、下を向いたままで、頭の中で葛藤していた。 好きって分かっているし、もっと触れたい、抱き合いたいと、体は反応する。 でも、何故か不安が消えない。 益田さんに、対してではない。何が、私を不安にさせるのだろう…。 益田さんは、優しく顎を持ち、私の顔を上げる。 私の顔を見た益田さんは、優しく微笑んで、 『大丈夫だよ。』
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