第13章

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また、そっと私を抱き寄せ、腕を背中に回し、キュッと優しく包むでくれた。 『大丈夫だよ。』 私が、泣き止むまで、抱き締め続けてくれた。 そして、暗い闇に連れて行かれないように、何度も大丈夫って言ってくれた。 私は、顔を上げようとすると、真沙子の腕の力がふあっと軽くなり、ゆっくり体が離れていく。 『ありがとう…。私…。 好きだったお父さんの事、とにかく好きだったの。特に、手のひらの感触が好きで…。』 『うん。』 『よく手を繋いでって、ねだっていて…。お父さんを困らせるくらいだった。』 『うん。』 『でも、お父さんに愛されてないって、ずっとそう思ってた…。』 『うん。』 『私に微笑んでくれる笑顔も、毎年桜を見に連れていってくれる事も…。いつの間にか、嘘なんだって、思い込んでた。』
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