第14章

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『やっぱり、桜がないと…。』 寂しいよなって、橋の上からそう思う。 いつも、ここから2人で見てたよね。 よちよち歩きの時は、手を叩いて喜んでた。 もう少し大きくなったら、手を繋いで、お喋りした。 でも、それからは、ぎこちなかった。 横にいても、居ないような…、そんな気持ちで、ここに立ってたなぁ。 ごめんね…、お父さん。 私の名前の由来を素直に聞けなくて…。 はぁ~。でもね、私、遠回りしたけど、やっぱりお父さんの事、好きだよ。 こんな風に、素直に言ったら良かったのに…。 って、お父さんだって、正直に言ってくれたら良かったのに…。 親子共々、バカだよね。 笑ってすませる話だったのに。 でしょ?お父さん。
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