第3章

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『咲子ちゃん。行くよっ。』 うっ、そんな爽やかな顔で言っちゃうなんて…。罪ですよ。 もぉ、どうにでもなれっ!! 私は、覚悟を決め、車の外に出た。そして、こっちだからって言う益田さん。 あっ、はいって私は、益田さんの背中を追いかけた。 ポケットから鍵を取り出しながら、こんなんだったら、部屋を片付けておいたら良かったな…って、照れながら言った。 ドアが開き、どうぞって微笑んでる。 『あっはい。お邪魔します。』 はっ、はじめてだっ。男の人の部屋なんて…。 キョロキョロしてる私に、何か飲む?コーヒー?それともお茶?って聞きながら、せっせと雑誌や服を拾い集めてクローゼットの中に押し込んでいた。 『ふっ、可愛いっ。』 って思わず声に出してしまった。 『咲子ちゃん、ひどいな~、面白がってるだろっ。』 『はっ、すいません。思わず声に…。あっ、お茶、お茶にしますっ。』
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