第3章

8/12
前へ
/165ページ
次へ
『もしもし…。』 『咲子、何故、小声なの?』 『えっ、あの~、今家じゃないです。』 ちらっと益田さんを見ると、お菓子をこうかな?違うかな?てお皿に並べてた。うっ、可愛い。うふふふっ。 『え~、仕事じゃないよね?出掛けてるの?珍しいじゃんって、何か笑ってる?誰かいるの?』 『えっ?………。』 『聞こえてる?だから、誰かいるの?』 その時、益田さんが無造作に置いたピーナッツの袋が落ちて、ばらばら散らばった。 『あ~、やっちゃった…。』 慌ててピーナッツを拾い集めてる益田さん。 『えっ?今のって、男?ねぇ、 咲子、男がいるの!?』 『えっ?違うんです、って、いやっ、違わないっていうか…。』 コロコロ転がってきたピーナッツ。私の足元に止まった。 『咲子ちゃん、ごめんね。』 目と目が合い、頭が真っ白になった。 『あっ大丈夫です。はいっ、益田さん。』 ピーナッツを拾い、益田さんの手のひらに置く。 『ありがとっ。』 キッチンに戻って行く。 『さっきこちゃ~んって、呼ばれくらい、いつから仲良くなったの、聡史くんと。』 『えっ、ちっ、違うの!!』
/165ページ

最初のコメントを投稿しよう!

307人が本棚に入れています
本棚に追加