第5章

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何をやってるんだろう。記憶が、あやふやで…。 『はいっ。水。』 益田さんは、目の前にコップを差し出してくれた。 私は、あまりの混乱と恥ずかしさに、やや俯き気味で、コップを受け取ろうと両手を伸ばした。 益田さんの手の上から覆う形になってしまって、戸惑っていると、左手で、私の右手を包み込んだ。 益田さんの手のひらの感触に、頭が真っ白になってしまいそうになった。 『ずるいです…。』 『先にしたのは、咲子ちゃんだよ。』 『そっ、それはっ!!』 私は、顔を上げた。
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