第5章

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車に乗り込み、私のマンションに向け発車する。 自分の息遣いが聞こえるじゃないかなって思うくらい、息苦しくて…。 益田さんも、黙ったままで、何を考えているんだろう。 私、益田さんに何も聞けてない。肝心なとこを避けていた。 『着いたよ…。』 『あっ、ありがとうございます。』 私は、益田さんの方を見れず、前を向いたまま、頭を下げた。 そして、シートベルトを外し、ドアに手を掛けた。 『咲子ちゃん、あのっ、……。』 携帯が鳴った。あっ、小さく声を漏らす益田さん。 『出て下さい。私、帰りますから。』 私は、勢いよく、外に出た。そして、振り返らず、マンションに向かって走った。
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