第6章

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えいって、投げたボールは、またもや左にそれた。 『どこに投げてるだよ。まったく…。』 『すっ、すいません。』 ボールを拾うと、私の方に向かって歩いてくる。 ボールを投げる時はなっ、こういうふうに投げるんだよって、丁寧に教えてくれた。 数十分後…。 何とか、投げることが出来て、グローブを使って取ることも出来たのだ。 すっ、すごい、すごいよっ。 嬉しさと、父と出来なかった悲しさが混じり合っていく。 いつの間にか、日が沈みかけていて、空は橙色になっていて…。 ジッと見つめてた私。 ふと、気付くと、頬に涙が伝ってた…。 『きれいだな。夕日も、桜も。』 『はい…。』
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