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えいって、投げたボールは、またもや左にそれた。
『どこに投げてるだよ。まったく…。』
『すっ、すいません。』
ボールを拾うと、私の方に向かって歩いてくる。
ボールを投げる時はなっ、こういうふうに投げるんだよって、丁寧に教えてくれた。
数十分後…。
何とか、投げることが出来て、グローブを使って取ることも出来たのだ。
すっ、すごい、すごいよっ。
嬉しさと、父と出来なかった悲しさが混じり合っていく。
いつの間にか、日が沈みかけていて、空は橙色になっていて…。
ジッと見つめてた私。
ふと、気付くと、頬に涙が伝ってた…。
『きれいだな。夕日も、桜も。』
『はい…。』
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