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私の涙に気付いていたかは、分からないけど、私の横で黙って夕日に染まっていく桜を眺めてくれた。
…男の子だったら、もっと早く出来たのに…
『ありがとうございます。』
『良かった。じゃあ、行くわっ。』
またなって、手を伸ばしてきた。
私も、ためらわずに手を握った。
そして、自然に笑みが溢れていた。
やっぱり、心地良いんだ。
そして、名前を知らない彼の後ろ姿を見つめている自分がいた。
中学3年生の春だった。
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