第7章

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駅に着いて、真沙子と別れた。 久しぶりに、ゆっくり2人で話せて良かったって思った。 まだ、家に帰るには、勿体ない気がした。 本屋に寄って帰ろう。 広くて、本の品揃えに良い、お気に入りの本屋に行くことにした。 ファッション雑誌や料理本を見たり、ぷらぷら店内を歩いてみた。 写真集が並んでいる棚を見ていると、子供の無邪気にはしゃいでる写真、家族のくつろいでる写真があった。その中には、写真家の家族たちの日常が切り取られていた。 そして、その中の一枚に桜を見上げてる子供たちが映っていた。 何だか、自分を重ねてしまって、父親側の気持ちも覗いてしまった気がして…。 すごく、すごく…。 いたたまれなくなった。 パタッと写真集を閉じ、その場を立ち去った。
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