第7章

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目に涙が溢れ、視界がぼやけていた。 『きゃっ。』 肩がぶつかり、女の人が持っていた本が落ちた。 私は、そのまま床に倒れ込んだ。その時には、溢れそうになっていた涙が、頬を伝っていた。 『えっ、大丈夫?どうしよう…。』 彼女は、あまりにもびっくりし過ぎて、立ち尽くしてキョロキョロしていた。 すると、男の人が側に寄ってきて……。 『絵里?どしたの?』 『えっ、あっ、……。』 倒れてる私に気付いた男の人が、私の肩に触れた。 『大丈夫ですかっ?気分でも悪いですかっ?』 聞き覚えのある声、思わず顔を上げた。 やっぱり、益田さんだ!! 『えっ?咲子ちゃん?何でっ、な……。』 私は、逃げた。
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