プロローグ

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 小さな隙間から見えた空は、とても綺麗で、眩しかった。  薄暗い箱の中ではなく、あの空の下で生きてみたい、そう思った。  だけど、それは不可能なことだった。ちっぽけな箱を壊す力すら、僕にはないのだ。僕はこのまま、ここにいるしかない。薄暗いのを我慢して、窮屈なのを我慢して、時々、すがるように、隙間から空を見る。そうして生きていく。
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