見上げた空

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 今日は、集会と自己紹介だけで、授業は終了した。集会の時は、眠くて仕方がなかったが、何とか堪えた。 「明日、席替えするからなー」担任の朝倉先生が言った。「登校してすぐに移動できるように、今のうちに席を決めてしまおうと思う」  朝倉先生は、小さな箱を取り出した。中には、折り畳まれた紙が入っている。くじで席を決めよう、ということらしい。  廊下側の生徒から、順番に、くじ引いていく。僕の席まで回ってきた。悩むこともなく、手近にあるものをとった。 「信二、お前何番?」和樹が、少し離れた席から話しかけてきた。 「二十八番」 「窓側の席かよー。俺と反対側じゃん」  僕が返事をする前に、朝倉先生の声が聞こえてきた。「皆、くじ引いたな? 明日、皆が集まり次第、席替えするぞ。だから、絶対遅刻するなよ」
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