小説になりきれない何かたち。

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  「おやあ、目が充血してるねえ」 「ソウさん。あなた目が開いてるのか閉じてるのかわかんないから充血してるかもわかんないよ」 「私の目はちゃんと開いてるよ」 「嘘でしょ」 「嘘じゃないよ。私は嘘はつかないからねえ」 「それこそが嘘だわ」 「嘘じゃないよ」 「じゃあ今まで嘘ついたことないってゆうの?」 「もちろんだとも」 「じゃあ今までで一番恥ずかしかったことは?」 「小さい頃のお漏らしかねえ」 「じゃあ自分のコンプレックスは?」 「お尻にあるホクロかねえ」 「……じゃあ、あたしのこと、すき?」 「………もちろんさ」 「そう」 「ああ」 「あなたのくちびるはうそつきね」 。  
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