始まり

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そうやって胸の中で騒ぎつつ。 玄関をくぐり、大和兄ちゃんに新入生の下駄箱の場所を教えてもらう。 教室まで二人で歩いていると視線が刺さる。 それも尋常じゃない視線が。 でも私はそれに構う余裕がなかった。 大和兄ちゃんは1年の教室の前で止まり、 「ここ」 と言うと私が入るのを促した。 「んじゃ…またね ありがとう」 声が聞こえたか分からないけれど。 大和兄ちゃんら私が一歩踏み出したのを見てから、手を振り去っていった。
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