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「みなさん、はじめまして。
高梨由里子(たかなしゆりこ)といいます。1年間よろしく。
さあ、さっそくだけど体育館に行きましょうか。
早く行っておいたほうがいいですからね。
さあ、みんな立って」
みんな無言で立つ。
先生は続けて、
「では前の人の頭とか特徴を覚えてね。
見失ったら多分、迷ってしまうので。
では行きましょう。
前の人についていってね。
相田くんは私についてきて。」
みんなこれらに無言で従った。
前の人の頭を覚えようとしている人や、緊張してカチコチな人もいるけれど。
私は完全に両方で、山下くんにひたすらついていった。
高校は中学に比べて、広かったから私の場合とても危ない。
入試のときでさえ迷子になったから、お母さんからとにかく前の席の人だけは覚えろと言われていたのだった。
そう。
私は人見知りに加え、方向音痴だった。
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