6人が本棚に入れています
本棚に追加
そうやって家族の容姿に、想いを馳せていると陽兄ちゃんが目の前にいた。
「梓、荷物置かないの?」と私に向かって手を差し出している。
おっとっと、忘れてた。
荷物を下ろして陽兄ちゃんに渡すと、部屋の前まで持って行ってくれる。
小さいときからそうだ。
陽兄ちゃんは、妹からしても本当によく出来ている。
私が陽兄ちゃんを絶賛している間に、大和兄ちゃんが椅子に座っており、お母さんはお茶を出していた。
私も座らなきゃ。
大和兄ちゃんの右隣、お母さんの前が私の定位置。
陽兄ちゃんがお母さんの右隣に座って、手をあわせる。
そしてみんなで、
「「「「いただきます」」」」
これが我が家の習慣で、ご飯は毎回こうする。
誰かが用事でその場にいなくても変わらない。
外では手をあわせるだけだけど、私はこの習慣が好きだったりする。
最初のコメントを投稿しよう!