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みんなの肩から一気に力が抜けた。
「笑えるってことは、結構いい出だしだったみたいね?」
「うん、孝くんと直紀くんと友達になった。
女子はまだだけど…。」
するとお兄ちゃん2人が、ご飯を揃って吹き出した。
もう、汚いなあ。
陽兄ちゃんが、
「くんって呼んでるって!
しかも梓が下の名前で[?]
どういうことなの?」と。
私は、
「孝くんとは、名字が同じだし。
直紀くんは孝くんと区別つかないから、お互い下の名前で呼ぶってことになったの。」と言う。
私もくん付けで呼べる人ができたことは予想外だけど、お兄ちゃんたちは驚きすぎ!
まったくもう…
「そうなのか…。
それならよかった」と陽兄ちゃん。
「え、なんで?」と私。
「いや、なんでもないよ。
そうだ、大和。明日…」
と陽兄ちゃんが大和兄ちゃんに言うと、
「言われなくても、孝やら直紀の顔拝んでくるよ。
あ、てか梓も1組だったよ」
「そうしてくれると……
ってええ[?]1組[?]」
と驚いて再度箸が止まる陽兄ちゃん。
「おう」と大和兄ちゃん。
私が割り込み、
「お兄ちゃん、何でそんなに驚いてるの?」と聞くと、
「んー、ちょっと驚いただけ!
でも、梓の学校生活が楽しくなりそうでなによりだよ」と笑顔の陽兄ちゃん。
「なんで?」と聞き咎める私。
「いいからいいから。
楽しみはあとに取っておくといいよ。」
そう言った以外陽兄ちゃんは、私が何度聞いても笑うだけだった。
私がむくれていると、お母さんが
「陽が警告じゃなくて、楽しくなるって言ってるから大丈夫よ。」と言った。
まあ陽兄ちゃんは危険だと思ったら、事細かに注意事項を教えてくれたりするから多分大丈夫なんだろうけど。
でも私の好奇心はうずうずした。
そんなうずうずを抱えたまま、私の入学式の夜は更けていった。
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