きっかけ

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先生が 「はい、みなさん黒板が見えますね? 私たち1組の生徒は毎年、通称コロニーという生徒会に入ってもらう生徒を決めます。 毎年変わるけれど、だいたいは三年間ずっと引き継がれます。 もし生徒会に興味がある人はあとで聞きますから、まず委員を決めましょう。 ちなみに生徒会に入ったら、委員にはなれないのでよく考えてくださいね」 先生はまだ話していたけど、私と孝くんと直紀くんは顔を見合わせどうする?とお互い顔だけで問いかけた。 私はできれば直紀くんと孝くんと一緒がいいな…。友達と一緒のほうが張り合いがあるし。 そう思っていると、孝くんが 「生徒会がコロニーって名前なんて、珍しいと思わないか?なんか面白そう!」 すると直紀くんも、 「だよな。しかも三人でできるし! な、梓はどう思う?」と。 「私もいいと思う。 陽兄ちゃんが面白いことがあるって言ってたのもこれのことかも…」 「「え[?]どういうこと?」」 「お兄ちゃんが、コロニーのこと楽しそうに話してた記憶があって...そうなのかなって。」 「そりゃ立候補しなきゃな!」と直紀くん。 「そうそう!立候補しよう」と孝くん。 そして「せんせーい!」と手を挙げた。 ちょうど委員決めが一周し、どん詰まり状態らしい。
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